新しい商品開発に会話分析を使用
モトローラ
エスノグラフィ
 

背景

通信分野のグローバルリーダーであるモトローラは、モバイル通信技術を使って高度なパーソナルサービスを提供しています。同社の人類学者は、PARCと共同で、友人同士や家族の間の「共有」に関する習慣を分析するため、エスノグラフィ的な調査を実施しました。調査の目的は、人々の社会的なつながりを維持・向上するのに役立つ、米国市場向けの通信アプリケーションを開発することでした。

インサイト

「PARCのエスノグラファーが持っている会話分析の専門知識は、私たちが持ち合わせていない知識です。私と私の同僚は、その手法を理解したいと思っていました。なぜなら、その手法を学ぶことで、私たちが重要だと考えていること、つまり通信技術におけるイノベーションに貢献できるからです。結果として発見したことには説得力があり、プロセスは我々のニーズを満たすのに有効でした。喜んで、PARCとまた一緒に仕事をしたいと思っています。」

モトローラ応用研究センター、人類学者および体験リサーチ部のマネージャー Crysta Metcalf博士

会話分析を専門とするPARCでは、対話がどのように構成され、また生みだされるかを分析することで、人と人との関係を可視化することを目指していました。通信技術の発達により、対面交流と遠隔交流の間の境界線がなくなってきていることを理解していたエスノグラファーは、人、特に社会集団の中心的存在となる人たちがどのように連絡を取り合い、また電話を通じてどのようにして社会的関係を維持しているのかといった相互作用的なパターン(「intimacy maps」も含め)を特定しました。

過程と方法

3週間にわたり、観察、写真、ビデオ日記、詳しいインタビュー、録音した携帯電話の通話内容などを使って、モトローラとPARCのチームは、人口統計的にも地理的にも異なる5つのグループのデータを収集しました。さらにチームは、どういった情報、経験、内容が共有されるのか、その過程、そして共有する上でその場の状況がどのような影響を与えるのかといったソーシャルネットワークの維持パターンを理解するため、「グラウンデッド・セオリー・アフィニティ分析」を応用しました。

PARCのエスノグラファーは、録音された電話の内容すべてにおいて、会話の冒頭や話者交替に焦点を置きながら会話分析を行いました。例えば、あまり親しくない間柄で使われる「もう聞き飽きているとは思うけど…」といった、言い訳をするような手法とは対照的に、より親密な関係の間で使われる口調や快活な声の違いを識別しました。

成果

もしテクノロジーが、単なる定量的データや通信の構造を超え、人はお互いにとってどのような存在なのかを把握できれば、より適切な通信サービスをユーザに提供することができます。調査の結果、モトローラのチームは、一般的な工学的原理から人を中心とした設計に移行する機会を数多く見出しました。例えば、送信者に重点を置いた設計から受信者を配慮した設計へと移行する、構造中心の設計からメッセージを重視した設計へ移行する、また事実を送信する設計からストーリーの共有を目的とした設計へと移行するなどです。

 

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クライアントプロファイル

モトローラ

本社:イリノイ州ショーンバーグ市

売上高:220億ドル

従業員数:5万3千人以上