新市場で付加価値のある製品を提供
BASF

 

背景

BASFは世界でトップレベルの化学製品メーカーで、多様なアプリケーションに応用可能な材料や化学製品を製造しています。同社では新事業拡大を目標に掲げ、ディスプレイメーカーをターゲットとする、有機材料を使った製品群を考案しました。BASFは化学の分野において優れた専門知識を持っていますが、自社で開発した材料を使って基板やディスプレイ用のトランジスタを開発する能力を持っていませんでした。BASFがこうしたアプリケーションを実証できれば、ディスプレイ市場において付加価値のある製品で新たなカスタマーを得るのに役に立ちます。

ソリューション

PARCは、ディスプレイメーカーとの関係やディスプレイのアプリケーションに関して経験が豊富なばかりではなく、有機エレクトロニクスとプリンテッド・エレクトロニクスの分野において深い専門知識を持っていました。例えば、インクジェット印刷技術、リソグラフィプロセス、フレキシブル基板、ディスプレイと基板の実装技術などにおいて実績がありました。そのため、PARCはBASFの材料をテストできるだけではなく、これらの材料をディスプレイのプロトタイプに応用するためのノウハウも提供することができたのです。

過程

この契約は、フィージビリティ(実現可能性)とプロトタイプ構築の2段階で構成されました。PARCには、材料の特性評価やプロセシング、デバイスの製造、システムデザインなどが可能な施設があります。そこで、BASFはPARCの研究員にいくつかの素材を提供しました。PARCはBASFの製品群のうち複数の材料を使って実験を行い、結果として両社はディスプレイ用基板に実装するトランジスタに最適なn型の材料を使うことを決めました。難題が生じるごとに、PARCの研究員は素早くそれらを解決していきました。例えば、プロトタイプ構築の際に特定のニーズに対応できるようカスタムプロセスを設計するなどです。

 

「PARCは、BASFの革新的なn型有機半導体技術をベースとする、プリンテッドトランジスタ基板駆動のフレキシブル電子ペーパ・ディスプレイのプロトタイプ第1号を開発するうえで、すばらしい成果を上げました。当社は、PARCの深い専門知識と、この難題に取り組む姿勢やそのプロセスに心の底から強い感銘を受けました。」

BASFフューチャービジネス部門、プリンテッド・エレクトロニクス担当ディレクター、Stephan Klotz博士

 

成果

PARCは、BASFの材料を使って、業界初のインクジェットで印刷されたフレキシブル、n型ディスプレイ基板を実現することができました。結果として、PARCは BASFに下記の項目を提供しました。

  • BASFのディスプレイメーカーのクライアントが、同社の材料を用いてこのタイプの基板を生産する方法
  • BASFが社内で、あるいは見込み客に対して使用できるデモ用製品
  • ディスプレイの駆動システム(ハードウェアとソフトウェア)

BASFは長年培った化学の専門知識を持っていましたが、PARCと協業することで、材料からデバイスを製造するまでの開発過程を理解することができました。こうしたインサイトと知識は、BASFが材料ソリューションを設計・最適化する上で有益なばかりでなく、材料とデバイスあるいはアプリケーションのレベルで、ターゲットとするカスタマーをより良くサポートするのに役立つと言えます。

 

 

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クライアントプロファイル

BASF

本社:ドイツのルートヴィヒスハーフェン市

収益:630億ユーロ

従業員数:10万9140人以上