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コンディション・ベースド・メンテナンスで 効率性と安全性を推進する
東日本旅客鉄道
目的
鉄道の効率性と安全性の向上
ソリューション
PARCのコンディション・ベースド・メンテナンス技術
業界
陸運業
PARCの注力分野
IoTおよび機械知能
概要
鉄道は、日本では欠かせない交通手段です。東日本旅客鉄道は、 年間60億超の乗客に向けた列車の効率性・安全性・信頼性の向上のためにPARCと取り組みを進めました。
課題
代替案の開発
近年、東日本旅客鉄道(以下JR東日本)は、インフラの老朽化、人口減少に伴う車両の保守管理スペシャリストの減少、予算縮小とコスト上昇といった課題に直面しています。こういった問題に取り組み、乗客のために日々、列車を確実に稼動できるよう、JR東日本では真のイノベーションを模索してきました。
PARCを選んだ理由
PARCのコンディション・ベースド・メンテナンス技術
コンディション・ベースド・メンテナンス(CBM)は、従来の時間基準のメンテナンス(TBM)や、「不具合が起きてから直す」やりかたや計画されたメンテナンスとは異なり、必要ベースで機械の保守管理を行う概念です。従来型の手法はコストがかかる上、人為的ミスを起こしやすく、最悪の場合は稼働停止や事故につながることがあります。JR東日本は、90%超の精度と低誤報率を可能とするモデルベースのアルゴリズムを採用し、必要とするのは最小限のデータセットのみという事例もあるPARCのCBM技術群の導入を考えて、PARCにアプローチしました。オープンなイノベーションモデルと、システムサイエンスやマテリアル分野における豊富な学際的専門知識を兼ね備えるPARCは、JR東日本にとって最良の選択でした。
ソリューション
カスタマイズされた故障検出・診断ソフト
PARCは、パートナーである野村総合研究所(NRI)とともにJR東日本のエンジニア、研究開発チーム、保守管理技術者とインタビューを重ね、問題を把握してCBM技術の具体的な使用方法を洗い出しました。機械学習アルゴリズムに学習させるためのデータを用いて、データ駆動型と従来モデルもしくはそれらの混合モデルの必要性について理解を高めた上で、PARCは分析的アプローチをJR東日本に提案。その後ダッシュボード(最低限の指標をレイアウトした画面表示)のモックアップを作成、JR東日本のエンドユーザからフィードバックを収集し、アルゴリズムとソフトウェアのイテレーション開発を開始しました。最終的なソリューションは?PARCは高度な機械学習とモデルベースのシステム解析のアプローチを活用し、列車ドアや線路のメンテナンスに焦点を当てたJR東日本の初期のCBMパイロットをテストするための、カスタマイズされた故障検出・診断の試験的なソフトを開発。加えて、JR東日本のエンジニアが得られたデータを視覚化してより理解を深めるためのダッシュボードも開発しました。現在、PARCとNRIは日本で最も使用頻度の高い路線でこれらのソリューションをテスト、実装するため、JR東日本研究開発センターのチームと連携を図っています。
結果
高い真陽性率と、低い偽陽性率
鉄道の故障検出と列車ドアの検出双方に行った初期の試験では、非常に高い真陽性率と低い偽陽性率が示されました。現在、調査結果の検証と現場導入に備えて、引き続き試験を行っています。ひとたびCBMダッシュボードが設置されると、JR東日本は高確率で車両故障を事前に検出、修復できるようになります。これによりJR東日本は効率性、費用対効果を高めることが可能となり、そして何よりも列車を安全、最適かつ時間通りに運行することができるでしょう。コンディション・ベースド・メンテナンス技術は、交通のほか、エネルギー貯蔵やスマートマニュファクチャリングといったその他多くの産業においても大きな可能性を秘めており、PARCの自己認識型、自己適応型システムの実現に向けた第一歩となります。